【将来日本からインド料理屋が消える?】在留資格「経営・管理」厳格化の本質とこれから起きること

令和7年10月16日、在留資格「経営・管理」の要件が大幅に厳格化されました。

この記事では、

  • 改正された要件
  • 厳格化の“本当の狙い”
  • メリットとデメリット
  • 今後3〜5年の日本社会に起きること

を専門家の視点から解説します。


■ 厳格化された新要件:何がどう変わったのか?

出入国在留管理庁が発表した新しい要件は、これまでから大幅に厳格化されています。

🔻 新・経営・管理ビザの主な改正ポイント

(※詳細は入管の公式HP参照)

  • 資本金:500万円 → 3,000万円
  • 従業員:必ず日本人等を1名以上常勤で雇用
  • 日本語能力:申請人または従業員がJLPT N2以上
  • 学歴 or 実務経験:修士号以上、または3年以上の実務経験
  • 事業計画書:専門家による確認が必須

■ なぜここまで厳格化されたのか?

1、ハードルが容易すぎた

従来は 、実質500万円の資本金が用意できれば申請ができたため、経営実績のない人、一念発起でチャレンジする人等もいたと思います。

もちろん、
実績がなくても成功する人は成功します。
チャレンジ精神があることは良いことです。

ただ、自分自身の力でビジネスを成功させることは、日本人でも同じですが本当に大変なことです。
経営に困った時、資金や実績、能力があるに越したことはありません。

ハードルの低さは、廃業率の高さに直結します。

廃業率の高さは、難民認定申請、偽装結婚、不法滞在等、よくない未来を招きます。

2、趣旨とかけ離れた申請

2番目の理由としては、経営する気がない人の申請が挙げられるでしょう。

例えば、富裕層の中国人で年に数回日本に遊びに来たい、日本で仕事をする予定がある等、日本に頻繁に来る方もいると思います。
しかし、中国は査証免除国ではないため、日本に来るたびに原則ビザを取る必要があります。
そこで、経営・管理を取ってしまえば出入国は自由です。

または、自国ではいつ政府に自分の財産を取られてしまうかわからない。
そうなった時に逃げる国が欲しい。

そんな人は、日本で会社を作っておいて経営・管理ビザを取っておく。
ということも可能なわけです。


■ この厳格化は“良いこと”でもある

私は専門家として、この厳格化には 大賛成 です。

なぜなら――

✔ 質の良い起業家だけが残る

高い資本金、学歴、経験、日本語力。
これらを揃えられる人は、そもそも経営能力がある。

つまり、

→ ビジネス成功率が上がり、日本経済にプラスになる。


■ しかし…デメリットは?

ここからは専門家として非常に重要だと思う点です。

 ①「普通の外国人起業家」が日本から消える

資金、能力、経歴、この3つがある程度以上でないと申請できないため、
例えば資金と能力はあっても学歴や実務経験がないという人は、いくら良いビジネスアイデアがあっても日本でビジネスができなくなります。

あるいは、能力と学歴はあっても資金がない人もいるでしょう。

3つを兼ね備えたエリート層しか日本での起業のチャンスがなくなるという点は理解しないといけないでしょう。

ましては今は円安の時代。
世界の中での日本の立場はどんどん弱くなってきている中で、わざわざ日本で起業をしたいと思っている人も珍しいのに、
その中でさらに厳格化したら日本で起業をする外国人は非常に少なくなることが予想されるでしょう。


 ② 今、日本で経営している外国人が一番つらい

3年間(令和10年10月16日まで)は経過措置として、現在経営・管理のビザで日本に在留している人、改正前に申請した人は新たな要件を適用しないとされています。

裏を返せば、3年の間に以下を達成しないと更新ができないということです。

  • 資本金3,000万円
  • 従業員雇用
  • 日本語能力
  • 事業計画の練り直し

たった3年でこれを揃えるのは、並大抵の努力ではありません。

例えば、今年来日したばかりの外国人飲食店オーナーを想像してみてください。

  • 毎日お店を切り盛りしながら
  • 利益を出し
  • 日本語を勉強し
  • 資金を貯め(3,000万円)
  • 事業計画を再構築する

これを3年でやらないといけない。

これはあまりにも負担が大きい。

もしかしたら数年後、インド人やネパール人が経営するカレー屋、
タイ人が経営するタイ料理屋等、外国人が経営する飲食店が消えるかもしれません。


■ この厳格化が示す「日本の次の姿」

私はこの改正を見て、明らかに日本政府のスタンスが変わったと感じています。

外国人が経営する会社が減るということは、そこで働く外国人労働者も減るということ。

  • 外国人起業家を増やす
  • 外国人材で人手不足を補う

そういった方向ではなく、

 「外国人には依存しない国へ戻りたい」

という意思が垣間見えます。

しかし現実は――

  • 日本は深刻な労働力不足
  • 地方の飲食店は外国人がいなければ回らない
  • 外国人なしでは経済が成り立たない分野も多い

だからこそ今回の厳格化は、
“象徴的なターニングポイント” なのです。


■ 最後に:日本からインド料理屋が消える未来は現実か?

私は「完全に消える」とは思っていません。
しかし確実に 激減 するでしょう。

なぜなら、

① 新規参入が激減する

② 更新ができない既存の経営者が続出する

この2つが同時に起こるからです。


■ まとめ:要件厳格化は正しい。しかし“未来への影響”は重い。

要件の厳格化自体は、制度としては必要です。
ただし、

  • 今まで真っ当に経営してきた外国人経営者
  • 地域経済
  • 人材不足

こうした側面への影響は避けられません。

2025年の改正は、
「誰でも起業できる日本」からの脱却 を意味しています。

外国人起業家にとっては、
今後3年が生死を分ける期間になります。

この制度改正が、
日本の未来にどんな影響を与えるのか。
日本に住む一人の日本人として、
私は注視していきたいと思います。

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